bookstamoriの日々

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『バード C.パーカーの人生と音楽』の読者レビューには、教えられたなぁ・・・

昨日のエントリーで『バード チャーリー・パーカーの人生と音楽』のレビューについて少し感想を述べました。

weblog.bookstamori.com

チャーリー・パーカー (文藝別冊) を読んでいたら・・・

チャーリー・パーカー (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

チャーリー・パーカー (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

  • 発売日: 2014/06/23
  • メディア: ムック
 

バード チャーリー・パーカーの人生と音楽の読者レビューに下記の文言が有ります。

現状、生のチャーリー・パーカーを目撃した日本人は1953年当時富士銀行ニューヨーク駐在員事務所に在籍していた瀬川昌久氏が唯一と言われており...

 昨日、アマゾンで購入の『チャーリー・パーカー (KAWADE夢ムック 文藝別冊)』が到着。ひろい読みをしていたら「1953年NYカーネギー・ホールで聴いたパーカー」(瀬川昌久)のエッセイに遭遇。

お~・・・これはきっと「パーカー御大」の啓示(大層、大仰であるが・・・)かいなと思いつつ読みました。

記事によると、初めに1953年9月26日のカーネギーホールコンサートに足を運んでおられた。二度目は翌54年2月のブルックリンのパラマウント劇場とのこと。

二度に聴いた時の印象として

ただガランとして古い映画館の中で、パーカーのアルトの澄んだ音色と、バカでかい音量だけは、少しも衰えていなかった

と述懐されています。

また、

優れたジャズのホーン奏者は「基本的に美しいトーンと、大きなヴォリュームを出すことが出来る"ことが前提条件....

とも付言。

そういえば、コルトレーンも大きな音だったようでテナーの中村誠一氏は【証言で綴る日本のジャズ】と題する評論家小川和久氏との対談で

コルトレーンの音色はすごかった。ビャーンと来るでしょ。あれ以降、あんな音は聴いたことがない。

と語っています。

www.arban-mag.com

ま、こればっかりはライブの体験者でないと判らないですね。

 

パーカーと双璧だったL.コニッツの死

少し話はそれますが、瀬川氏の文中にスタンケントン楽団に在籍していたリー・コニッツの演奏も耳にされていた旨が語られていました。

リー・コニッツと言えば、パーカーと双璧をなすアルトの巨匠。 本年(2020年)4月にコロナウイルス肺炎で逝去。50年代から現在に至るまで第一線で活躍していた訳ですから驚嘆に値します。

きっと、今ころは天上でC.パーカーとジャズを楽しんでいるに違いありません。

THE SAX vol.101(ザ・サックス)

THE SAX vol.101(ザ・サックス)

  • 発売日: 2020/05/25
  • メディア: 雑誌
 

 

チャーリー・パーカー生誕百年にちなむ話題をふたつ

「踊る」ための音楽から「聴く」ための音楽に変貌させていったチャーリー・パーカー
920年8月29日、カンザスカンザスシティに生まれた。
重度の麻薬中毒とアルコール依存、果ては精神病院への入退院を繰り返すなど、破滅型の人生を過ごし34歳で死去。
ただ残されている彼の演奏は今も多くのファンを魅了し続けています。

www.universal-music.co.jp

評伝『バード チャーリー・パーカーの人生と音楽』

"チャーリー・パーカーの評伝『バード チャーリー・パーカーの人生と音楽』は2013年にアメリカで刊行。日本語訳が本年2020年、パーカー生誕100年記念として日本語版が刊行されています。

 この書籍、昨日、立川の本屋さんで見つけました.。
思わず、買ってみようかなと思い立ちました。
まぁ、早まらずと考えアマゾンのレビューを見てから‥にしようと・・・。

で、参照してみたらえらい酷評が掲載されていました。

 総じて、立ち読みでパラパラめくればすむレベル。とうてい他人に薦められる代物ではない。本来評点ゼロだが、最低レベルとした

 
「原著にあった写真の欠落」や人名表記などの誤り等を指摘されておられる。 う~む、翻訳書とはかくも難しきものなのだろうか・・・と思わせられる。

確かにチャーリー・パーカーであれば、彼に関する文献は山ほどあるだろうから、大変な作業であったには違いないのだろうから・・・

ただ、「珍訳」「誤訳」と指摘してあっても具体的な原文を引用をしている訳ではないので、にわかに賛同は出来ない。
編集担当者が、この投稿を読んだ感想もしくは意見を聞いてみたいような気もする。

私の場合、レビューには関係なく私は購入してみようと思っています。

 

チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」(村上春樹著『一人称単数』所収)を読む

一人称単数 (文春e-book)

一人称単数 (文春e-book)

 

 

チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」は、主人公が大学生の時に書いた架空のレコード批評からストーリが始まる。  

ジャズを少しでも知っていたら、C.パーカーがボサノヴァを演奏することなんてあり得ない、とすぐに判る。

作者は実に巧みな描写であたかも実際にあったような設定でストーリーを展開してしまう。 ボサノヴァがブームとなったのは60年代。その火付け役アントニオ・カルロス・ジョビンとC.パーカーの共演するという設定。

実際、この二人が共演している描写がある。そこはジャズに秀でた作者ならではの筆致でまとめられている感じ。 ジャズについて全く知識がない人が読めば、ホントに聴いてみたいと思うかもしれない。

まずA面一曲目の「コルコヴァド」に耳を澄ませてもらいたい。この曲ではバードは冒頭のテーマを吹かない。彼がテーマを演奏するのは、最後のワン・コーラスだけだ。まずカルロス・ジョビンがピアノだけで、あの聴き慣れたテーマを静かに演奏する

 1955年に死んだはずのチャーリー・パーカーが63年に『チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ』というアルバムを出していたという架空のレビューを書いたのちに、ニューヨークのレコード店で同名のアルバムを見つける。

そして驚いたことに、かのC.パーカーが作者の夢枕に立って、

「死はもちろんいつだって唐突なものだ」とバードは言った。~中略~実際の本物の死はどこまでも重いものだ。そのときまで存在していたものが唐突にそっくり消えてしまう。まるっきり無に帰してしまう。そして私の場合、その存在とは私自身のことだった」

とし、C.パーカーの語りに託し、おそらくは作者の死生観の一端を披歴している。

最後の一行は・・・

信じた方がいい。それはなにしろ実際に起きたことなのだから

です。

 

ウソとウソを重ねあわせて真実を語る手法について、当時は高名であったマーケティングプランナーの話を聴いたことがあったなぁ・・・

 

チャーリー・パーカーの演奏も聴いてみよう

目眩めくようなスピード感と複雑さをもつ、瞬発力に満ちたエネルギッシュな即興演奏...

『ジャズグレイツ100―名演、熱演、好演、快演 不朽の名盤を集大成!』P.46より引用

 


Charlie Parker / Now´s the Time


渡辺貞夫はパーカーの曲に絞ったレコーディングを残しています。